2005-04-01から1ヶ月間の記事一覧

拍手!

演目終了後、拍手に促されて舞台に再登場した大植氏は、なんと客席に向かって話しかけはじめた。 「大阪フィルに来て本当によかったと思っています。先程、大フィルとの契約を、ちょっと長めに更新いたしました!」 客席から大きな拍手。アンコールは、「町…

モーツァルトも、シュトラウスもいいぞ

オーボエ独奏のブルグ氏は、元パリ管の主席奏者。太めの音で明るく奏でられるソロに、軟らかく鮮やかなオーケストラの伴奏。モーツァルトの書いた協奏曲は、いい演奏で聴くと本当に気持がいいなぁ。 R.シュトラウスの作品は、オペラから選られた管弦楽のみの…

信頼関係の賜か

そもそも、マッシブな大音量や豪快なリズム感で聴かせるオーケストラに比べて、弱音の内側で見せる表現の多彩さで聴衆を満足させることのできるオーケストラは少ない。小さい音を出すということは個々の奏者に非常な負担だし、そのなかで表情の変化をつける…

弱音で攻める大フィル

なんとそのマ・メール・ロワ、大植氏と大フィルは弱音の表現力でアグレッシブに攻めてきた。緊張感に溢れる最弱音の中で、弦も管も微妙な表情の変化を表出して見せる。ラヴェルの繊細な管弦楽の響きが、息をのむような注意深さで再現されていく。おお、こり…

2週連続の大植&大フィル

ちょうど一週間前の定期演奏会に続き、大植英次指揮による大阪フィル。なんといっても、ラヴェルの書いた管弦楽の中でも屈指のデリケートさを誇るマ・メール・ロワがこのコンビによってどう料理されるのかが楽しみでチケットをとった。

いずみホール 17:00〜

大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 J.S.バッハ 「管弦楽組曲第3番」よりエア(JR宝塚線列車事故犠牲者への追悼演奏) ラヴェル 組曲「マ・メール・ロワ」 モーツァルト 「オーボエ協奏曲」 (オーボエ:モーリス・ブルグ) R.シュトラウス 組曲「町人…

終演後

いくら拍手してもし足りない。大植&大阪フィル、いったいどこまで行ってしまうんだろう。 脳が興奮したままの状態でホールの廊下に出ると、壁にかけられた朝比奈隆氏の写真が眼に入った。私はおもわず、 「朝比奈さん、あなたのオーケストラが大変なことに…

指揮者、オケ、音楽が完全に一体化して…

第3楽章あたりになると、奏者の方々も興奮してきているように見えた。そして、音楽はまるで自らの力で走り出したかのような錯覚さえおぼえさせるほどに熱く息づく。極端な話、「ここで指揮者とオーケストラが手を止めても音楽は走り続けるのではないか?」な…

向かうところ敵なし?

演奏は、膨らむ期待をさらに上回る、驚異的なまでの大熱演だった。“熱演”なんてありふれた単語を使うのさえ躊躇われるくらいだ。 第一楽章冒頭から、音楽は情熱的に、しかし一歩一歩しっかりと足を踏みしめながら疾走する。しかもただ走るのではなく、随所に…

大植&大フィルのベートーヴェン初体験

大植氏と大フィルがベートーヴェンを演奏するのを聴くのははじめてなので、私はおおいに期待していた。曲目が「第7番」というのがまたいいではないか。いかにも大植氏が得意としていそうな曲だ。 オーケストラは前半2曲とはポジショニングを変えて、主副ヴァ…

2曲目は師バーンスタインの有名曲

「セレナード」は大植氏の師であるバーンスタインの曲で、“天才少女”五嶋みどりが何度も弦を切りながら最後まで弾ききってバーンスタインを感激させたことで有名な作品。今夜の独奏は、大フィルに3人いるコンサートマスターのうちのひとり、ロバート・ダヴィ…

「2年でここまで来ました」

大植体制3年目の幕開けを飾るのは、ベルリオーズの序曲。いきなり、その躍動感とパワフルさに圧倒された。私はこの曲を聴くのは初めてだったのだけれど、ときおり運動会の音楽みたいに賑々しくなったり、ロマンチックな歌があったりと、タイトルどおり活発で…

(一部で)話題沸騰

最近、ちょくちょく関西のメディアで大植氏と大阪フィルのことが話題にされているのを眼にすることがある。それらのいずれもが、大植氏が主席指揮者に就任して以来の大フィルの好調ぶりを伝えている。昨日の関西テレビのニュースでもちょっとした時間を割い…

ザ・シンフォニーホール 19:00〜

大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 ベルリオーズ 序曲「海賊」 バーンスタイン 「セレナード」 ベートーヴェン 「交響曲第7番」

拍手の終演

終演後、拍手に包まれながら笑顔を浮かべ、胸の前で両手を組んでゆっくりとお辞儀をするデームス氏。私は「ありがとうございました。とても勉強になりました。」と言いたい気分でいっぱいだった。音楽を聴き、味わう喜びをまたひとつ勉強させてもらった。

後半はシューマン

シューマンの演奏で用いられた楽器は1846年製の歴史的なピアノ。現代のピアノと較べると、幾分くぐもったような響きがする。特に高音部では、コンサートホールで聴きなれたスタインウェイのようなキーンと張りのある音色はなく、角の丸い、ややくすんだ音が…

まずは前半のバッハ

まずは、クラビチェンバロによるバッハの演奏。小規模なホールゆえ、チェンバロの小さな音も、ひとつひとつの音波の細部までよく聴こえる。いやはや、本当に贅沢。 さて、デームス氏の演奏はというと…正直言って、私は最初の平均律でちょっと戸惑ってしまっ…

今日のコンセプト

今日のコンサートの副題は「デームス・オン・フォルテピアノ」。バッハの時代のクラヴィチェンバロを復元したものでバッハの音楽を、シューマンの時代に作られた歴史的ピアノでシューマンの音楽を聴こう、という企画なのだ。しかも、奏者はウィーンの老匠、…

はじめて入るホール

フェニックスホールで音楽を聴くのはこれが初めてだ。ピアノ音楽好きの会社の上司から「かなりこじんまりしたホール」とは聞いていたのだけれど、なるほど、その通りだ。席は300席あまりで、舞台は階段2段分の高さしかない。ちょっとした金持ちなら、自宅の…

ザ・フェニックスホール 18:00〜

イェルク・デームス J.S.バッハ「平均律クラヴィア曲集第1部より 第1番」 J.S.バッハ「フランス組曲 第5番」 J.S.バッハ「カプリッチョ 変ロ長調『最愛の兄の旅立ちにあたって』」 J.S.バッハ「前奏曲とフーガとアレグロ 変ホ長調」 J.S.バッハ「平均律クラ…

フランス音楽はいいなぁ

そういえば、フランスのオーケストラをフランスの指揮者が振るコンサートを聴いたのは初めてだったように思う。ドイツ音楽ともロシア音楽ともイタリア音楽とも違うフランス音楽の魅力にどっぷりと浸かった2時間半だった。

記録更新

アンコール1曲目は、ラヴェルの書いたオーケストラ曲の中で私が最も好きな「マ・メール・ロア」から終曲“妖精の園”。ゆっくりとしたテンポを基調に、ふわふわとたゆたう色彩的な響きの園。もう、全身の力が抜ける程美しい。来てよかった! そして、なんとこ…

なんと素晴らしい音楽!

後半の「展覧会の絵」も、ロシアの楽団による演奏とは一線を画す、お洒落な味わいの演奏。とにかく、オーケストラのどのパートも常に共感豊かな歌を振りまく。金管の強奏から、ピチカートのひとつひとつ、小さなオブリガートに至るまで表情があって、それが…

「色彩的」にもいろいろ

一言に「色彩的な音色」と言っても様々な種類がある。例えばデュトワ指揮の音楽はしばしば水彩画のようなパステルカラーを感じさせるし、若い頃のブーレーズの録音を聴くと、ガラス細工のような透明感を覚える。プラッソン指揮のパリ管弦楽団の響きはそうい…

音楽と一緒に呼吸する喜び

前半のプログラムは、ラヴェルとルーセルの色彩豊かな作品。まず驚いたのは、オーケストラが奏でる旋律に、うっとりする程暖かな表情が満ちていることだ。どの一瞬を取り出しても、無機的に音が並んでいるということはない。一音一音に、なんとも言えない洒…

プラッソン氏初体験

ミッシェル・プラッソンという指揮者の名前は随分前から識っていたのだけれど、その演奏は、実演はもちろん録音でも聴いたことがなかった。会場内で買ったパンフレットによると、氏は1933年生まれだから、御年72歳。若い頃は、ストコフスキーやバーンスタイ…

フェスティバルホール 19:00〜

ミッシェル・プラッソン指揮 パリ管弦楽団 ラヴェル「高雅で感傷的なワルツ」 ラヴェル「ラ・ヴァルス」 ルーセル「バッカスとアリアーヌ 第2組曲」 ムソルグスキー(ラヴェル編)「展覧会の絵」