なんと素晴らしい音楽!

後半の「展覧会の絵」も、ロシアの楽団による演奏とは一線を画す、お洒落な味わいの演奏。とにかく、オーケストラのどのパートも常に共感豊かな歌を振りまく。金管の強奏から、ピチカートのひとつひとつ、小さなオブリガートに至るまで表情があって、それがまた刻々と移り変わっていく。プラッソン氏は表情の移ろいと音楽の流れを見事に同期させて、音楽をどんどん膨らませてゆく。身を任せていると、本当に気持がいい。終曲“キエフの大門”の最後の一音が消えてゆく頃には、また私は音楽と一緒になって呼吸をしていた。うーん、なんて馨しく、素晴らしい音楽!