「2年でここまで来ました」

大植体制3年目の幕開けを飾るのは、ベルリオーズの序曲。いきなり、その躍動感とパワフルさに圧倒された。私はこの曲を聴くのは初めてだったのだけれど、ときおり運動会の音楽みたいに賑々しくなったり、ロマンチックな歌があったりと、タイトルどおり活発で豪快な音楽だ。大植氏と大フィルは、各場面での開放的な表情付け、そしてそれらの場面の鮮やかな転換の爽快さで聴き手の耳を鷲掴み。数年前には大フィルを聞いていて「良くも悪くも、リズムが重いなぁ…」と感じることがしばしばあった(独墺系以外の作品を聴いているときは特に)のだけれど、それと同じオーケストラだとは到底思えない。陳腐な表現だが、「血沸き肉踊る」という表現がまさにピッタリだ。