音楽と一緒に呼吸する喜び

前半のプログラムは、ラヴェルルーセルの色彩豊かな作品。まず驚いたのは、オーケストラが奏でる旋律に、うっとりする程暖かな表情が満ちていることだ。どの一瞬を取り出しても、無機的に音が並んでいるということはない。一音一音に、なんとも言えない洒落たニュアンスが込められている。「薫りたつような」とはまさにことのこと。そして、表情にあわせてテンポもかなり自由に延び縮みする。それがまた非常に自然で、思わずその心地よい揺らぎにあわせて呼吸してしまうくらい惹き込まれてしまった。