2005-03-01から1ヶ月間の記事一覧

結局

終演は9時半。しかし、サービス精神溢れるステージにすっかり楽しくなったので、楽屋口に並んでサインまでもらってしまった。

サービス精神の塊、シモノフ氏

なんとアンコールは3曲もあった。白鳥の湖から「ワルツ」を演奏した後、なぜかドヴォルザークのスラブ舞曲を2曲。最後の一曲の前に、指揮台の前で懐中時計を取り出し、時間を見てから聴衆に向かって「まだ大丈夫」と頷いて微笑んでみせるサービス精神もお見…

総じて

前半後半ともにやや直線的な音楽運びながら、音響的な迫力は最高級品。重心の低い打楽器と弦楽器が力いっぱい強奏しているのに、その頭を飛び越えて、突き刺さるような金管の音が勢いよく耳に飛び込んでくるのはロシアのオーケストラならではだ。鳥肌が立っ…

白鳥の湖

後半の白鳥の湖は、前述のごとくシモノフ氏選曲の抜粋版。コンサート前の告知ではそんなことを言っていなかったので、かなり戸惑った聴衆も多かったに違いない。というのも、この選曲、バレエの序曲から始まって、約一時間にわたって様々な旋律をとっかえひ…

音楽はやや大味ながら

シモノフ氏とモスクワ・フィルの音楽は、基本的にやや速めのテンポでアッケラカンと進んでいく。オーケストラの響きは分厚く、張りがある。各楽器のソロが力強く、安定しているので、厚いながらも、輪郭のはっきりした音楽が奏でられる。 シモノフ氏の指揮に…

交響曲第5番

事前情報として「シモノフ氏の指揮姿はかなり変」という話は仕入れていたのだが、なるほど、変だ。“踊るように”と言えば聞こえはいいが、その踊りは殆ど“ロボットダンス”。玩具の猿が太鼓を叩くみたいにカクカクと両手を揺らしたり(そのときの足はガニ股)…

今夜の副題は「チャイコフスキーの夕べ」

演目は、前半が交響曲第5番で後半が白鳥の湖(抜粋)という、普通とは逆の曲順。ただし、白鳥の湖は一般に演奏される組曲版とは違い、シモノフ氏独自の選曲によるものらしい。

突如の発売と不十分な宣伝?

私はその公演開催を電子ぴあで知ったのだが、どうやらその宣伝は非常に不十分だったようだ(実際、私はこの公演のパンフレットを見たことがない)。今日のザ・シンフォニーホールは、未だかつて見たことがないほどガラガラだった。雨天も響いたのかもしれな…

念願の単独公演

シモノフ指揮のモスクワ・フィルハーモニー交響楽団が来日するという話はかなり前から知っていた。ロシア音楽好きの私は少なからず期待していたのだが、どうやらそれはことごとく「伴奏指揮者」としての演奏らしいとのことで、少々ガッカリさせられた。フジ…

ザ・シンフォニーホール 19:00〜

ユーリ・シモノフ指揮 モスクワ・フィルハーモニー交響楽団 チャイコフスキー 交響曲第5番 チャイコフスキー 白鳥の湖

終演後

当然のように沸き起こった盛大な拍手の中で、大植氏は丁寧に各パートをねぎらい、聴衆の拍手を受けさせていた。これもいつものことながら、大植氏の「オーケストラを褒めて育てる」姿勢をひしひしと感じる。いい演奏をしたら、それに見合った反応を示して、…

オーケストラの調子はいまひとつか

前日の定期演奏会初日ですでに疲れてしまっていたのだろうか、金管群は残念ながらやや不安定。肝心なところで音程が定まらず、「おぉい、しっかりしてくれぇ」と心の中でつぶやいたことも何度かあったものの、指揮者とオーケストラが目指していた音楽の方向…

大植氏の出す響きは

いつも思うのだが、抜群の指揮技術を使って縦のリズムをきっちりと揃え、パートバランスも丁寧に整える割には、大植氏の音楽には意外と透明感を感じない。むしろ、粘っこい印象すらある。大植氏が弦楽器群に結構大きなビブラートを要求するからだろうか。曲…

大植氏の指揮はいつもながら明晰

大植氏は、いつもに増して打点のはっきりした指揮で、縦のリズムをガチッと刻ませていた。その結果低弦と打楽器のリズムがゴリゴリと耳につくのだが、それが一種パラノイア的な趣向を感じさせるというか、何か得体の知れない苛立ちが蠢いている雰囲気をかも…

それにしても救いのない曲

いやはや、マーラーの交響曲第6番というのは「救い」のない曲だ。熱っぽさは充分にあるのだけれど、それは漲る意思の強さが持つ熱さではなくて、なにか焦燥感からくる火照りのように聴こえる。束の間に手に入れた安堵も、脆い陶酔も、結局はせわしない焦燥感…

ホールは超満員

全席が埋まっているのはもちろん、日頃は通路になっているところに補助席が出ていた。2年前に行われた大植氏の就任演奏会での交響曲第2番「復活」がかなり話題になったので、それ以来のマーラー演奏である今回の定期演奏会は大いに注目をあびているのだろう。…

ザ・シンフォニーホール 19:00〜

大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 マーラー 交響曲第6番「悲劇的」

失礼な話ではあるが

6日のベルリン交響楽団で、インフルエンザになった川久保賜紀さんの代演として登場した米元響子さん、名前になんだか聴き覚えがあるな、どこかのオーケストラのパンフレットに載っていたのかしら、と思っていたら、昨年の8月に京都市交響楽団の定期演奏会(…

すごいぞ、インバル。

インバルに関しては、ラヴェルやストラヴィンスキーの作品集を聴いたことがあるのだけれど、いまひとつ好きになれなかった。ものすごい精度でオーケストラをコントロールして、響きのバランスなど、舌を巻くほど完全に統制されているのだけれど、あまりにも…

代演は米元響子さん

やや地味な音色で、とても穏やかで上品な歌い口。「我れが、我れが」と肩をいからせて前に出ることなく、まるで旋律はすがすがしい微笑のよう。育ちの良い純朴なお嬢さんが、春の新緑の中でご機嫌に歌を口ずさんでいるような音楽だと思った。なんてったって…

インフルエンザが流行っているらしく

ヴァイオリニストの川久保賜紀さんはキャンセル。 川久保さんに関しては、以前に京都市交響楽団(岩城宏之)とチャイコフスキーのコンチェルトを演奏するのを聴いたことがあった。そのときに、「音楽に大きなうねりを持たせることができるひとだ」と感じた一…

ザ・シンフォニーホール 15:00〜

エリアフ・インバル指揮 ベルリン交響楽団 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 マーラー 交響曲第9番