「色彩的」にもいろいろ

一言に「色彩的な音色」と言っても様々な種類がある。例えばデュトワ指揮の音楽はしばしば水彩画のようなパステルカラーを感じさせるし、若い頃のブーレーズの録音を聴くと、ガラス細工のような透明感を覚える。プラッソン指揮のパリ管弦楽団の響きはそういった色彩感とはまた違うように聴こえた。もう少し厚ぼったくて、モワッとした響きだ。暖色系で輪郭がグラデーション状。安直な例えかもしれないが、ルノワールの絵画のような印象とでも言えばいいのだろうか。