総じて

前半後半ともにやや直線的な音楽運びながら、音響的な迫力は最高級品。重心の低い打楽器と弦楽器が力いっぱい強奏しているのに、その頭を飛び越えて、突き刺さるような金管の音が勢いよく耳に飛び込んでくるのはロシアのオーケストラならではだ。鳥肌が立った。こんな音は他のオーケストラではなかなか聴けない。その響きに身体を包み込まれる体験ができただけでも、充分聴きにきた甲斐があったと、ロシア音楽好きの私は大いに満足。