念願の単独公演

シモノフ指揮のモスクワ・フィルハーモニー交響楽団が来日するという話はかなり前から知っていた。ロシア音楽好きの私は少なからず期待していたのだが、どうやらそれはことごとく「伴奏指揮者」としての演奏らしいとのことで、少々ガッカリさせられた。フジ子・ヘミング、ヘイリー、岡本友高、マキシム、羽田健太郎といった人たちの協奏曲演奏の「添え物」としての扱いで、3月中旬から4月中旬にかけて、全国十数か所をまわるらしい。
「オーケストラだけのコンサートがあったら絶対に行くのになぁ」
ザ・シンフォニーホールでのコンサートでそれらのコンサートのチラシをもらったり、新聞で広告を見たりするたびに、そう思っていた。
と、そういう声が多かったのだろうか、もしくは、シモノフ氏の顔も少しは立てなければということになったのだろうか、先月初旬突如として、大阪と東京で一公演ずつ、オーケストラだけのコンサート開催が告知されたのだ。しかも、チケットはS席が6000円と、国内のオーケストラ並の価格だ。相場の半額と言っていい。いったい、どういう位置づけのコンサートなんだ?