ユーリ・シモノフ指揮 モスクワ・フィルハーモニー交響楽団 チャイコフスキー 交響曲第5番 チャイコフスキー 白鳥の湖
当然のように沸き起こった盛大な拍手の中で、大植氏は丁寧に各パートをねぎらい、聴衆の拍手を受けさせていた。これもいつものことながら、大植氏の「オーケストラを褒めて育てる」姿勢をひしひしと感じる。いい演奏をしたら、それに見合った反応を示して、…
前日の定期演奏会初日ですでに疲れてしまっていたのだろうか、金管群は残念ながらやや不安定。肝心なところで音程が定まらず、「おぉい、しっかりしてくれぇ」と心の中でつぶやいたことも何度かあったものの、指揮者とオーケストラが目指していた音楽の方向…
いつも思うのだが、抜群の指揮技術を使って縦のリズムをきっちりと揃え、パートバランスも丁寧に整える割には、大植氏の音楽には意外と透明感を感じない。むしろ、粘っこい印象すらある。大植氏が弦楽器群に結構大きなビブラートを要求するからだろうか。曲…
大植氏は、いつもに増して打点のはっきりした指揮で、縦のリズムをガチッと刻ませていた。その結果低弦と打楽器のリズムがゴリゴリと耳につくのだが、それが一種パラノイア的な趣向を感じさせるというか、何か得体の知れない苛立ちが蠢いている雰囲気をかも…
いやはや、マーラーの交響曲第6番というのは「救い」のない曲だ。熱っぽさは充分にあるのだけれど、それは漲る意思の強さが持つ熱さではなくて、なにか焦燥感からくる火照りのように聴こえる。束の間に手に入れた安堵も、脆い陶酔も、結局はせわしない焦燥感…
全席が埋まっているのはもちろん、日頃は通路になっているところに補助席が出ていた。2年前に行われた大植氏の就任演奏会での交響曲第2番「復活」がかなり話題になったので、それ以来のマーラー演奏である今回の定期演奏会は大いに注目をあびているのだろう。…
大植英次指揮 大阪フィルハーモニー交響楽団 マーラー 交響曲第6番「悲劇的」
6日のベルリン交響楽団で、インフルエンザになった川久保賜紀さんの代演として登場した米元響子さん、名前になんだか聴き覚えがあるな、どこかのオーケストラのパンフレットに載っていたのかしら、と思っていたら、昨年の8月に京都市交響楽団の定期演奏会(…
インバルに関しては、ラヴェルやストラヴィンスキーの作品集を聴いたことがあるのだけれど、いまひとつ好きになれなかった。ものすごい精度でオーケストラをコントロールして、響きのバランスなど、舌を巻くほど完全に統制されているのだけれど、あまりにも…
やや地味な音色で、とても穏やかで上品な歌い口。「我れが、我れが」と肩をいからせて前に出ることなく、まるで旋律はすがすがしい微笑のよう。育ちの良い純朴なお嬢さんが、春の新緑の中でご機嫌に歌を口ずさんでいるような音楽だと思った。なんてったって…
ヴァイオリニストの川久保賜紀さんはキャンセル。 川久保さんに関しては、以前に京都市交響楽団(岩城宏之)とチャイコフスキーのコンチェルトを演奏するのを聴いたことがあった。そのときに、「音楽に大きなうねりを持たせることができるひとだ」と感じた一…
エリアフ・インバル指揮 ベルリン交響楽団 メンデルスゾーン ヴァイオリン協奏曲 マーラー 交響曲第9番
開設記念に、とりあえず今後のお出かけ予定を列挙。 2005年の前半シーズンまでで、すでにチケットを入手しているもの。3月6日:ベルリン交響楽団 エリアフ・インバル(指揮) 川久保賜紀(ヴァイオリン)3月18日:大阪フィルハーモニー交響楽団 大植英次(指…