ムーティ氏とVPOは仲良しこよし?

男前イタリア人のムーティ氏は、悪い意味ではなく、ウィーン・フィルのご機嫌を上手くとりながら指揮をしているような雰囲気だ。要所要所でアクセントとテンポ設定を示す他は、大まかなニュアンスを要求するだけで、基本的なアティキュレーションはオーケストラ側に任せているように見える。といってももちろんムーティ氏の個性が音楽に乗っていないわけではなく、アクセントのはっきりした、快活な音楽運びは隅々まで徹底している。なるほど、このコンビは指揮者とオーケストラのいい部分が上手く噛み合っているんだな。毎年ザツルブルグで好評を博しているのも、さもありなん。